結婚

カトリック教会では伝統的に信徒の婚姻関係は神の前で結ぶものであり、それを解くこと、すなわち離婚はできないと教えてきた。にも関わらず特別な場合に限って婚姻の無効が認められることがある。ただ、カトリック教会において婚姻の無効は決して「離婚」の同義語ではない。カトリック教会が婚姻の永遠性をうたい離婚を認めないとしながら、婚姻の無効を認めていることが実質的な離婚への抜け道になっていると批判するものもある。とはいってもやはり婚姻の秘跡は離婚とはまったく異質なものである。すなわち、結婚が成立した上でその関係を解消する離婚とは異なり、婚姻の無効は結婚の成立の時点へさかのぼってその是非を問うからである。婚姻の無効を実質的な離婚の手段として濫用することは、カトリック教会における本来の意図から離れたものであるため、婚姻の無効はそう簡単には認められない。本来の意図は、カトリック教会が婚姻を(旧約聖書にあるように)神の前で「男女が一体になる」ものであることを示すものである。 「このような理由により、カトリック教会は教会裁判所による厳密な審査のあとで婚姻の無効(婚姻関係そのものが成立していなかったということ)を判断することができる。その場合、婚姻の無効が成立した二人は自由に結婚することができる。」(カトリック教会のカテキズム1629条) カトリック教会の中でも、この婚姻の無効の成立によってその夫婦の間に生まれた子供が正式な子供と認められなくなるのではないかと危惧するものもあるが、教会法1137条は婚姻の無効が成立した場合でもその子供は正式な婚姻の下に生まれたものとして認められるとしている。 カトリック教会においての婚姻の無効の認定は、法的な離婚とは別種のものである。とはいっても教会が婚姻の無効を認めるほどのケースであれば、法的にも離婚が成立し、事実上離婚している場合がほとんどである。 もし結婚しようとする者に、かつて結婚した事実を示すものがあるなら、カトリック教会ではその婚姻の無効が認められない限り結婚式をあげることができない。それはどちらかがカトリック教会でないところで結婚していた場合でもそうである。カトリック教会では、洗礼を受けたもの同士が自由意志によって婚姻の関係を結んだ場合、決して解消することができないとみなしている。
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